About Us JP
Patient Info
心臓病向け PET (陽電子放出断層撮影)とは?
PET (陽電子放出断層撮影)とは、画像診断用核医学装置です。放射性トレーサーでガンマ線を検知することで、体内の機能プロセスの3次元画像を撮影します。
^ トップへ戻る
PETストレスと、レスト心筋血流検査とは?
これは心筋への血流を評価する非侵襲性の画像診断方法です。冠状動脈が細いか、疾患のある患者の場合、心筋への血流は減少します。これにより、心筋への酸素が欠乏し、さらに胸部の不快感や息切れなどの症状を生み出します。
試験を実施する際は、患者の静脈ラインに、少量の放射性薬品を投与します。放射線の被ばく量は非常に少ない上に、検査から非常に多くの情報を得ることができます。本検査の利点やリスクに関する詳細は、医師から説明があります。
^ トップへ戻る
ルビジウム82を使用したPET ストレスとレスト心筋血流検査
ルビジウム82
ルビジウム82は、半減期が75秒の陽電子放射性トレーサーです。こちらを患者の静脈内に投与します。静脈内投与後、ルビジウム82はカリウムの類似体となり、心筋へ急速に吸収されていきます。ルビジウム82は、投与後1分以内に心臓に達します。心筋により摂取され、血流に流れます。そのため、十分な血流のある心臓エリアでは、血流の少ないエリアに較べて、ルビジウム82の活動が多く見られます。PET 撮影カメラでは、心臓部のルビジウム82の3次元画像を撮影できます。3次元画像を詳細に分析することで、心筋への血流が減少している(虚血)場所や重症度を特定できます。
^ トップへ戻る
ルビジウム82を使用したPET心筋血流検査の実施方法
  • 通常、この試験は1時間以内で終了します。
  • はじめに、腕の静脈ラインに、薬品を投与します。
  • 検査中、血圧や心拍数が一定期間毎に記録されます。また弱い電圧が胸に流され、心臓の状態を確認します。
  • 特別な検査台を使用して、試験が行われます。
  • 患者の静脈ラインに、少量の放射性薬品を投与します。これによりPETカメラが心臓の画像を撮影し、血流内の変化を特定できるのです。
  • PETカメラは、2種類の周期で撮影を行います。
    • レスト
    • ストレス(心臓への負荷の増加)
  • 心臓PETスキャンが終了後は、普段と同じ活動を行えます。
^ トップへ戻る
ルビジウム82を使用したPETストレスと、レスト心筋血流検査に要する時間は?
レスト/ストレス診断を含むすべての検査が、一時間以内で終了します。
^ トップへ戻る
検査に必要な準備は?
ご予約時間の15分前には当クリニックへご到着いただくと、ルビジウム82などストレス試験に必要な薬品を予めご用意できます。また、検査にお越しいただけない場合は、その旨をあらかじめクリニックにご連絡ください。
以下の点にご注意ください:
  • 検査の一時間前までは、軽食をお取りになれます。
  • 検査の24時間前には、以下のものを 避けてください :
    • カフェインを含む製品(紅茶、コーヒー、ココア、ミロ等)。
    • チョコレートを含む製品(キャンディ、フロスティング、クッキー、チョコレートミルク等)。
    • カフェインを含むソフトドリンク(コーラ等。「カフェインなし」という表記のあるものも避けてください)。
  • 検査の48時間前には、ペルサンチン(Persantin)またはテオフィリン(Theophylline)を含む薬剤を摂取しないでください。
  • お薬手帳を持参してください。
  • • ** ぜんそくに関わる注意事項。 ぜんそく患者には、通常、ペルサンチンの投与は避けられます。これまでにぜんそくや気管支炎、気腫等の症状があった方は、医師と医療スタッフにその旨を必ず伝えてください。
^ トップへ戻る
ルビジウム82を使用したPET心筋血流検査を、従来のSPECT検査と比較した場合の利点は?
  • PETの画像の品質は、従来のSPECT検査に比べて優れています。PETは、SPECT検査と比較すると、画像数も多く獲得できます。さらにPETは減衰補正も抑えることができます。
  • 心筋抽出分画やトレーサー運動、SPECTトレーサーの半減期等により、SPECT検査で獲得できる画像は、実際はストレス後(post-stress)のものになります。一方、PETを使用すると、より正確なストレスデータを獲得できるのです。
  • ルビジウム82を使用したPET心筋血流検査の場合、ルビジウム82の半減期がわずか75秒なので、SPECT検査に比べて放射線の被ばく量も少なくて済みます。
  • ルビジウム82を使用したPET心筋血流検査では、所要時間も30~40分間と短いです。従来のSPECT検査は、終了までに4~6時間を要していました。
^ トップへ戻る
ルビジウム82を使用したPET心筋血流検査の特異度と感度は?
855名の患者を対象にした研究によると、感度は95%、特異度も95%を示しました。
^ トップへ戻る
ルビジウム82を使用したPET心筋血流検査ののリスクは?
ルビジウム82の半減期は非常に短い(75秒)ので、放射線の被ばく量も少なくて済みます。しかし、妊娠中の女性は、この検査法を実施されない方が良いでしょう。ご自分が妊娠していると思われる場合は、担当者にお知らせください。
  • ルビジウム82に関わる副作用は、これまで報告されていません。
  • アデノシン/ジピリダモールは、心臓だけでなく体内すべての結果を拡張させる薬剤です。そのため、体が熱く感じる症状が起こることがあります。また頭痛や腹痛の症状も多く起こりますが、一方で吐き気等の症状(特にジピリダモールを服用時)は稀です。ジピリダモールの影響は最大30分ほどですが、アデノシンの場合は10秒ほどになります。ジピリダモールの副作用は、アミノフィリン(ぜんそく用の薬剤)で改善される場合があります。
  • 頭痛などの副作用のリスクは、1万分の一です。しかし特定の禁忌はあります。また以下の方は、この検査の実施を避ける必要があります:
    • この2日間で頭痛があった
    • 不安定狭心症
    • コントロールが不良状態の不整脈
    • 大動脈の心臓弁に深刻な症状がある
    • コントロールが不良状態の心不全
    • 心臓の感染症または炎症
    • 急性大動脈解離
    • 急性肺塞栓症
当クリニックでは、患者に対してジピリダモールを使用して薬剤負荷をかけます。患者が横になっている状態でジピリダモールを使用し、負荷をかけている間に撮影を行います。血管が最大に拡張した後、同位体を提供し、負荷をかけた時と、かけない時の心臓の状態を測定するのです。負荷をかけた際の画像に、かけない場合の画像には無い問題が見つかった場合、虚血性疾患があることが判明します。非負荷の時に異常が見つかった場合は、以前心臓発作が起こった際の傷跡である可能性があります。 Patient Info CT Image
  • 検査は、常に通常の状態、傷跡、虚血性疾患の3つを比較しながら行われます。また負荷をかけたPETと、非負荷PETを同日に行います。
Patient Info PET
^ トップへ戻る
検査後にすべき事は?
  • 水を十分に飲み、体内から放射性トレーサーを出してください。
  • 検査後は、日常の活動を再開できます。試験前に、薬剤の投与を一時的に止めるよう指示を受けた場合は、いつから(投与を)再開してよいのかを確認してください。
  • 検査結果は、核医学医師/心臓内科医が画像を確認し、報告書を作成した後に、あなたの主治医に送られます。
^ トップへ戻る
カルシウムスコアの概要
カルシウムスコアは、ストレス検査の後に実施されます。冠動脈カルシウムを確認することで、血管内またはアテローム性動脈硬化(動脈硬化)内のプラーク(脂肪性沈着物)の有無を調べることができます。CTスキャンを使用して冠状動脈内で特定したカルシウムの量から、アテローム性動脈硬化の状態を確認できるのです。
カルシウムスコアは、カルシウム沈着の量と密度に基づいて計算されます。このスコアが、動脈狭窄の比率を直接示すわけではありませんが、症状の重症度を測定することができます。
Patient Info カルシウムスコアの概要
^ トップへ戻る
ストレス心臓かん流検査は、私の医療的な判断や、最終的な結果に、どのような利点を与えるのですか?
動脈の閉塞は非常に重要であり、現在多くのクリニックではCT血管造影を利用して血管の検査を行っています。しかし解剖だけが唯一の方法ではありません。生理学の知見は、より重要度を増しています。もし動脈の一部に閉塞が存在しても、SPECTやPET等の試験で虚血のエビデンスが見つからない場合は、インターベンションの必要性はないからです。
数年前に、END(非侵襲診断)研究が報告されました。報告書は、胸の痛みを持つ数千名の患者を対象とした研究でした。その内の半分は、カテーテル法/血管造影を実施するラボで、残りの半分はSPECT/MIBI検査を実施しました。侵襲性の血管造影を実施するかどうかの決断は、MIBI検査の結果に基づいて行われました。侵襲性試験を受けた患者は、最初に検査を受けた時以上に良い結果は得られませんでした。つまりカテーテル/血管造影を実施するラボに患者を連れて行っても、改善した結果は得られませんでした。
私どもは、中程度の誘導性の貧血が見られた患者を、カテーテル法/血管造影法を実施するラボに紹介しました。非侵襲性の試験を実施する方が、理に適っていると考えたからです。それは患者にとっても同様でしょう。この試験は、冠動脈造影法が必要かどうかを検査するものです。
Dr Nico Pijls(Catharina Hospital、アイントホーフェン、オランダ)。
「貧血の症状を生み出す要因ではない病変がある場合、内因性のリスクは非常に低いです。それはステント留置を行う際に抱えるリスクよりも低いのです」。それはインターベンションの専門医は、どれが貧血の原因となっている病変であるかを判断できないからです。
Dr William Boden (Buffalo General Hospital、ニューヨーク)はHeartwireに対して、この結果は、狭窄の生理的評価は、目視で確認するよりもはるかに正確であることを示していると語っています。同氏は「発生を避けることのできる、一見狭くなっているように見えない狭窄症も存在します」と語りました。「一方で、冠血流予備量比の勾配を理由に、機能的重要性の上がるボーダーラインの病変も存在します。この点は非常に重要です。というのも、これにより検査をより合理化して、血管への不要な経皮的冠動脈インターベンション治療(PCI)を避けることができるからです。またPCIを行うことで実際に効果が期待できる罹患した血管を、見極める際にも役立ちます」
Dr Ajay Kirtane (Columbia University、ニューヨーク)はHeartwireに対して、こうした研究結果は、患者や貧血の治療を行う一方で、治療の不要な血管に対して、無暗に治療しないことを強調していると指摘しています。「治療の必要がない病変を治療するのは最善の方法ではなく、患者の健康を損なう恐れがあります。しかし治療が必要な病変に適切な治療を施すのは、それらの病変をそのまま放置するよりも有益です」と、Kirtaneは語っています。たとえば、COURAGE 心臓核医学検査では、内科的治療を施された病変は、PCIで治療される病変よりも悪い結果となるという結果が出ています。
Patient Info
^ トップへ戻る